X線は波長が非常に短いために、通常の可視光のカメラようにレンズを用いることができません。よって、CMOSカメラのように高解像度を集積した小さな面積の受光素子にレンズで光をあつめて大きな画像を撮影するということができません。そのため、X線センサは撮像対象となる物体よりも大きい受光面積を有する必要があります。
例えば、空港手荷物検査では約60cm程度、CT装置では90cm程度の長尺センサが使用されており、レントゲンや工業非破壊検査では40x40cmのパネルセンサが使用されています。これは可視光カメラに搭載されているCMOSイメージセンサと比較すると約100倍の大きさになります。これまでの製品では液晶テレビの技術であるTFTを大型受光素子用の回路として用いてきましたが、CMOSイメージセンサと比較すると性能が遠く及ばないのが問題点でした。
弊社では、近年実用化がされ始めた3D LSI技術を駆使して、独自開発したCdTeとフォトンカウンティングLSIのセンサモジュールを大面積化するタイリングする技術を開発しました。これにより、X線センサとして求められる様々な形状、サイズに対応した製品を実現することができます。さらに、実装コストの面でも従来技法に比べて優位性があります。