放射線信号用の波形解析装置です。波高値や立上り/ディケイ時間の分析機能、中性子-ガンマ線の弁別やデータロガー機能などを提供します。
Contents
製品ラインナップ
MCA
一般的なMulti Channel Analyzer (MCA)として機能する構成です。波高値と立上り/ディケイ時間を計測することで波形弁別が可能です。波形解析はフルデジタル方式となっており任意のウィンドウ設定が可能です。独立した信号チャネルを最大で4チャネル搭載することができ、チャネル間でのコインシデンスや相関計測などを可能とします。光電子増倍管や半導体検出器に必要な高電圧バイアス電源を各信号チャネルに搭載し、バイアス電圧を波形解析と同時に制御することが可能です。
BNCT用MCA
LiCAF検出器と組み合わせた中性子計測装置として機能する構成です。波高値と立上り時間による波形弁別に加えてピークサーチとガウスフィッティング機能がリアルタイムに中性子を計数します。独立した信号チャネルを最大で4チャネル搭載。光電子増倍管に必要な高電圧バイアス電源を各信号チャネルに搭載し、バイアス電圧を波形解析と同時に制御することが可能です。
延長用MCA
延長用アンプ製品と組み合わせる構成です。アンプとの接続がRJ45コネクタとなり最大50m離れた場所での計測を可能とします。波形解析機能はMCA相当です。自身には高電圧バイアス出力を搭載せず、延長用アンプに搭載された高電圧バイアス生成器を制御します。
仕様
製品名 | 波形解析装置(MCA) | 波形解析装置(BNCT用MCA) | 波形解析装置(延長用MCA) |
---|---|---|---|
型番 | ZMCAN-CH04-01 | ZMCAN-CH04-02 | ZMCAN-CH04-03 |
信号チャネル数 | 4ch(BNC) ※チャネル数は注文時に変更可:2または4 | 4ch(BNC) ※チャネル数は注文時に変更可:2または4 | 4ch(RJ45) ※チャネル数は注文時に変更可:2または4 |
高電圧バイアス出力 | 200V ~ 1200V ※極性は注文時に指定:なし/正/負 | 200V ~ 1200V ※極性は注文時に指定:なし/正/負 | なし(アンプに搭載) |
入力電圧レンジ | ±10V(入力抵抗50kΩ時) | ±10V(入力抵抗50kΩ時) | ±1V(入力抵抗50Ω) |
アンプゲイン | コースゲイン:8段階 ファインゲイン:256段階 | コースゲイン:8段階 ファインゲイン:256段階 | コースゲイン:8段階 ファインゲイン:256段階 |
ディスクリミネータ | 波高値LLD/ULD 時間LLD/ULD | 波高値LLD/ULD 時間LLD/ULD | 波高値LLD/ULD 時間LLD/ULD |
フィルタ | 5段階(デジタルローパスフィルタ) | 5段階(デジタルローパスフィルタ) | 5段階(デジタルローパスフィルタ) |
オフセット調整 | 256段階 | 256段階 | 256段階 |
ADC極性 | 両極対応 | 両極対応 | 両極対応 |
ADC分解能 | 16384(14bit) | 16384(14bit) | 16384(14bit) |
サンプリングレート | 100Mサンプル/秒 | 100Mサンプル/秒 | 100Mサンプル/秒 |
トリガ入力 | 1ch(BNC端子) | 1ch(BNC端子) | なし |
電源 | ACアダプタ | ACアダプタ | ACアダプタ |
消費電力 | 10W(5V, 2A) | 10W(5V, 2A) | 10W(5V, 2A) |
重量 | 600g | 600g | 600g |
サイズ | (W) 190 x (H) 84 x (D) 200 mm (突起部除く) | (W) 190 x (H) 84 x (D) 200 mm (突起部除く) | (W) 190 x (H) 84 x (D) 200 mm (突起部除く) |
動作温度 | 0 ℃〜30 ℃ (結露なきこと) | 0 ℃〜30 ℃ (結露なきこと) | 0 ℃〜30 ℃ (結露なきこと) |
通信 | Ethernet | Ethernet | Ethernet |
計測機能 | リストモード出力 オシロスコープ機能 グラフ描画 | ヒストグラム出力 カウントレート出力 グラフ描画 | リストモード出力 オシロスコープ機能 グラフ描画 |
希望小売価格(税抜) | 4chモデル: 120万円 2chモデル: 100万円 | 4chモデル: 120万円 2chモデル: 100万円 | 4chモデル: 120万円 2chモデル: 100万円 |
出荷開始時期 | 2021年9月 | 2022年3月 | 受注生産 |
サポートページ | こちら | こちら | – |
特徴
高度な解析を可能とするイベント計測モード
個々のパルスについて、波高値のみならず立ち上がり時間や時刻情報を記録することができる計測モードです。イベント情報はテキストファイルにエクスポートでき、ユーザによるコインシデンス計測や2次元ヒストグラム化など、様々な解析にご利用いただけます。
高計数率にも対応可能なヒストグラム計測モード
高計数率の入力に対応できる、ハードウェアによる高速な波高ヒストグラム構成機能を搭載しています。1信号チャネルあたり 10 Mcps の計数率でも測定可能です。
入力波形を制御PCから観察できるオシロスコープモード
オシロスコープモードにより、入力波形を制御PC上のソフトウェアから観測することができるため、測定条件の調整が容易に行えます。
自由度の高いアナログフロントエンド
- ゲイン調整
- 1/64倍から128倍まで入力ゲインの調整が可能で、幅広い入力レンジに対応できます。
- 入力抵抗
- 50Ωから50kΩまでの4段階で切り替えができます。
- ベースライン復元
- オフセット自動調整機能により、狙ったレベルに1ボタンで調整が可能です。
- 両極対応
- デジタル処理にて極性反転が可能です。
多彩なデジタルフィルタ
5段階のデジタルローパスフィルタ(単純移動平均フィルタ)によりランダムノイズを低減できます。またデシメーションフィルタにより、サンプリングレートを 1/4 ~ 1/100 に間引くことができます。これにより、立ち上がりの遅いパルス波形の波高分析に対応します。
信号チャネルごとに独立した高電圧バイアス電源
光電子増倍管や半導体検出器に必要な高電圧バイアス電源を搭載しており、測定時のセットアップを簡略化することが可能です。ON/OFFや出力電圧は、ソフトウェアから信号チャネルごとに独立に変更することができます。測定機能を使わずに、リモート制御可能な高電圧バイアス電源としてお使い頂くこともできます。
極性は御注文時に選択していただきます。
ネットワーク対応
MCAと制御用PCをLANで接続します。LANハブやルータを介した遠隔接続も可能なため、立ち入りのできない測定環境や遠隔地でも使用することができます。
使用例
LiCAF + PMTを直挿し
本製品を中心に、測定系をシンプルに構成できます。入力抵抗およびゲインが可変のため、PMT出力を本製品の信号入力に直接つなぐことができます。また、PMTへ与えるバイアス電圧も本製品から供給できます。あとは制御用のPCを接続すれば、測定系の完成です。
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